
カメラレンズを長く愛用するために欠かせないアイテム、レンズフィルター。
高価なレンズを守るだけでなく、撮影表現の幅を広げるための様々な種類があります。
今回は、レンズフィルターとは何か、その種類、選び方、使い方、そして適切なメンテナンス方法までを分かりやすく解説します。
初心者の方から中級者の方まで、レンズフィルターについてより深く理解し、撮影をより楽しめるようサポートします。
ぜひ最後までお読みいただき、レンズフィルター選びの参考にしてください。
目次
レンズフィルターとは何か?その種類と役割

レンズフィルターとは、カメラレンズの先端に装着するガラスや樹脂製のフィルターのことです。
レンズの前にフィルターを装着することで、レンズや撮影画像を様々な影響から保護したり、撮影表現を豊かにしたりすることができます。
種類も豊富で、それぞれに異なる役割があります。
レンズ保護フィルターとは?
最も基本的なレンズフィルターは、レンズ保護フィルターです。
これは、UVカット効果を持つ透明なフィルターで、レンズの前面に傷や汚れが付くのを防ぐ役割を果たします。
砂ぼこりや雨、衝撃などからレンズを守り、高価なレンズを保護する上で非常に重要です。
レンズ保護フィルターは、常に装着しておくことをおすすめします。
各種フィルターの種類と特徴・用途
レンズ保護フィルター以外にも、様々な種類のフィルターがあります。
ここでは、代表的なフィルターの種類と特徴、用途についてご紹介します。
1: PLフィルター(偏光フィルター):光の反射を抑え、空の青さを強調したり、水面やガラスの反射を軽減したりする効果があります。
風景写真や人物撮影などで効果を発揮します。
メリットは、コントラストを高め、鮮やかな描写が得られる点です。
デメリットは、光の透過率が低下するため、露出補正が必要になる場合があります。
2: NDフィルター(減光フィルター):レンズに入射する光の量を減らすフィルターです。
明るい場所での撮影や、絞りを開放して背景をぼかしたい場合などに使用します。
メリットは、明るい場所でもシャッタースピードを遅く設定できるため、動きの表現や被写界深度の調整が容易になる点です。
デメリットは、光の量を減らすため、暗い場所で撮影する際はISO感度を上げる必要がある場合があります。
3: グラデーションNDフィルター:フィルターの一部だけが減光効果を持つフィルターです。
例えば、空と地面の明るさの差が大きい風景写真などで、空の露出を抑え、地面の露出を維持するのに役立ちます。
メリットは、空と地上の明るさのバランスを調整できる点です。
デメリットは、使用するシーンが限られる点です。
4: ソフトフィルター:被写体の輪郭を柔らかくぼかす効果があります。
ポートレート撮影などで肌を滑らかに見せたい場合などに使用します。
メリットは、柔らかく優しい印象の写真が撮れる点です。
デメリットは、ピントが甘くなる可能性があるため、被写体との距離や絞り値に注意が必要です。
5: クロスフィルター:光条(光の筋)を作り出す効果があります。
星景写真や夜景などで幻想的な雰囲気を作り出せます。
メリットは、独特の表現が可能な点です。
デメリットは、光条の強さを調整するのが難しい場合があります。
レンズフィルターの選び方と使い方

レンズフィルターを選ぶ際には、いくつかのポイントに注意する必要があります。
適切なフィルターを選んで正しく使うことで、撮影の質を高めることができます。
レンズフィルターの選び方のポイント
1: レンズ径の確認:フィルターを選ぶ際に最も重要なのは、レンズのフィルター径を確認することです。
レンズの前面か側面、もしくはレンズキャップの裏側に記載されている数字(例:58mm、Φ58mm、Φ58)がレンズのフィルター径です。
間違ったサイズを選ぶと、フィルターが装着できません。
2: コーティングの種類:フィルターガラスには、反射防止コートや撥水・撥油コートが施されています。
反射防止コートはフレアやゴーストの発生を抑え、撥水・撥油コートは汚れを付きにくく、拭き取りやすくします。
高品質なフィルターを選ぶ際は、これらのコーティングが施されているものを選びましょう。
3: 枠の厚さ:特に超広角レンズを使用する際は、フィルターの枠が厚いとケラレ(画像の隅が暗くなる現象)が発生することがあります。
ケラレを防ぐために、薄枠タイプや超薄枠タイプのフィルターを選ぶことをおすすめします。
4: フィルターの種類:撮影する被写体や目的によって、適切なフィルターの種類を選びましょう。
例えば、風景撮影ではPLフィルターやグラデーションNDフィルター、ポートレート撮影ではソフトフィルターなどが有効です。
レンズフィルターの取り付け方と注意点
レンズフィルターを取り付ける際は、レンズに傷が付かないよう注意深く行いましょう。
フィルターをねじ込む際は、ゆっくりと均等に力を加え、無理にねじ込まないように注意しましょう。
また、フィルターを取り外す際も同様に、ゆっくりと丁寧に作業することが重要です。
レンズフィルターの適切なメンテナンス方法
レンズフィルターは、常に清潔な状態を保つことが重要です。
撮影後には、ブロアーでホコリを吹き飛ばし、マイクロファイバークロスで優しく拭きましょう。
指紋や油脂が付着した場合は、専用のクリーニング液とレンズペンを使用すると効果的です。
フィルターに傷が付かないよう、優しく丁寧に清掃しましょう。
また、フィルターは定期的に点検し、傷や汚れが目立つようになったら交換することをおすすめします。
まとめ
この記事では、レンズフィルターの種類、選び方、使い方、メンテナンス方法について解説しました。
レンズフィルターは、レンズの保護だけでなく、撮影表現の幅を広げるための重要なアイテムです。
この記事を参考に、自分に合ったレンズフィルターを選び、撮影をより楽しんでいただければ幸いです。
レンズの保護、そしてより良い写真の撮影のために、適切なフィルター選びとメンテナンスを心がけましょう。