Log撮影した映像を扱う際に、その豊かな情報を最大限に活かすためには、適切なカラーグレーディングが不可欠です。
撮影後に調整できる幅が広いLog撮影ですが、その分、適切な処理を施さなければ、本来の映像の持つ魅力を損なってしまう可能性があります。
そこで、今回はLog撮影した映像を効果的にカラーグレーディングするための手順と、より自分らしい世界観を表現するためのヒントをご紹介します。
目次
Log撮影した映像をカラーグレーディングする手順
Log素材を読み込み新規プロジェクトを作成する
まず、Log撮影した映像素材を、お使いの編集ソフトウェアに取り込みます。
一般的な編集ソフトであればLog素材の読み込みに対応しているはずです。
読み込みが完了したら新しいプロジェクトを作成し、そのプロジェクトにLog素材を追加しましょう。
この際、使用するコーデックや解像度などを確認し、プロジェクト設定と一致させておくことが重要です。
適切な設定は後の作業効率や映像の品質に大きく影響するといえます。
例えば、高解像度で編集を行う場合は、編集ソフトの処理能力やパソコンのスペックに余裕があるかを確認する必要があります。
また、プロジェクト設定によってはLog素材の色空間(例えば、AlexaLogC、S-Log3など)の指定が必要になる場合もあります。
さらに、フレームレートの設定も重要であり、撮影時のフレームレートと一致させることで、スムーズな再生を実現できます。
LUTを適用しベースの色味を作る
Log素材はフラットな特性を持つため、そのままでは暗く、彩度も低い状態です。
そこで、LUT(LookUpTable)と呼ばれる、予め設定されたカラープロファイルを読み込むことで、ベースの色味を作ります。
LUTは様々な種類があり、それぞれ異なる雰囲気の色味を持っています。
例えば、映画のようなシネマティックな色味、鮮やかな発色、落ち着いたトーンなど、様々な選択肢があります。
最初は、お好みの色味に近しいLUTを選んで適用してみましょう。
多くの編集ソフトウェアにはLUTを適用する機能が備わっており、簡単に適用できます。
適用後、全体の明るさや色味を確認し、必要に応じて調整を行います。
さらに、複数のLUTを組み合わせることで、よりオリジナリティあふれる色味を作り出すことも可能です。
ホワイトバランス露出コントラストを調整する
LUT適用後、ホワイトバランス、露出、コントラストの調整を行います。
ホワイトバランスは動画全体の白の色温度を調整することで、より自然な色合いを実現します。
露出は全体の明るさを調整する重要なパラメーターです。
コントラストは明暗の差を調整することで、映像に奥行きや立体感を出すことができます。
これらの調整は映像の雰囲気を大きく変えるため、慎重に行う必要があります。
特に、Log素材はダイナミックレンジが広いので、調整しすぎるとノイズが目立ったり、ディテールが潰れたりする可能性があります。
そのため、細かな調整を繰り返しながら、自然で理想的なバランスを見つけることが重要なのです。
また、各パラメーターの調整は相互に影響し合うため、全体のバランスを見ながら調整することが大切です。
特定の色味を調整し全体のバランスを整える
最後に、特定の色味を調整し、全体のバランスを整えます。
例えば、肌の色味を調整したり、空の色をより青くしたり、特定の色を強調したりすることで、より洗練された映像に仕上げることができます。
多くの編集ソフトウェアには、色相、彩度、明度を個別に調整できるツールのほか、特定の色域を選択して調整できるカラーホイールなどの機能が備わっています。
これらの機能を効果的に使用し、全体の色調のバランスを調整することで、より魅力的な映像を完成させることができます。
例えば、夕焼けシーンでは赤の色合いを強調し、朝焼けシーンではオレンジの色合いを強調するなど、シーンに合わせて調整することで、よりリアリティのある映像表現が可能になります。
加えて、特定の色を強調することで、視聴者の視線を誘導することも可能です。
Log撮影とカラーグレーディングで自分らしい世界観を表現するには?
撮影時の露出設定とカラーグレーディングの関係性を理解する
Log撮影とカラーグレーディングは、密接に関連しています。
撮影時の露出設定は、後処理におけるカラーグレーディングの自由度に大きく影響します。
露出アンダー気味に撮影することで、ハイライト部の情報量を確保し、後からハイライトを明るく調整する余裕が生まれます。
一方で、露出オーバー気味に撮影すると、シャドウ部の情報量が減少し、暗い部分のディテールを復元することが難しくなります。
そのため、撮影時は被写体やシーンに合わせて適切な露出を設定することが重要です。
適切な露出設定は、カラーグレーディングの可能性を広げ、より自由度の高い表現を可能にします。
また、撮影時のライティングもカラーグレーディングに影響を与えるため、意識的にコントロールすることで、より効果的な映像表現を実現できます。
自分の表現したい世界観を明確にする
カラーグレーディングを行う前に、どのような世界観を表現したいのかを明確にしましょう。
例えば、暖色系の落ち着いた雰囲気、クールでシャープな雰囲気、幻想的な雰囲気など、目指す方向性を決めておくことで、効率的に作業を進めることができます。
目指す世界観を明確にしておけば、LUTの選択やパラメーターの調整もスムーズに行えます。
イメージを具体的にする為には、参考となる写真や映像を集めておくのも有効な手段です。
さらに、ムードボードを作成することで、表現したい世界観を視覚的に整理し、共有することも効果的です。
カラーグレーディングソフトのパラメータを理解し効果的に使用する
カラーグレーディングソフトには、様々なパラメーターがあります。
それぞれの機能を理解し、正しく使用することで、より高度な調整が可能になります。
例えば、カラーホイールを利用した色相、彩度、明度の調整、カーブツールを使った階調調整、HSL調整による特定の色域の調整など、様々な機能を駆使することで、表現の幅を広げることができます。
各パラメーターの微妙な違いを理解することで、より繊細な調整を行い、より洗練された映像を作ることができます。
また、ソフトによっては、マスク機能やトラッキング機能などを用いて、特定の領域にのみ効果を適用することも可能です。
様々なLUTを試して自分の作品に合うスタイルを見つける
様々なLUTを試すことで、自分の作品に合うスタイルを見つけることができます。
無料のものから有料のものまで、多くのLUTが提供されています。
それぞれのLUTの特徴を理解し、試行錯誤することで、自分らしい表現方法を見つけることができるでしょう。
お気に入りのLUTが見つかったら、それをベースに、さらに細かい調整を加えていくことで、より自分らしい世界観を表現できます。
LUTはあくまでも出発点であり、最終的には自分の感性と技術を駆使して、オリジナリティあふれる作品に仕上げることが重要です。
また、自分でLUTを作成するツールも存在し、よりこだわった表現を追求することも可能です。
まとめ
Log撮影とカラーグレーディングは、映像制作において重要な要素です。
この記事で紹介した手順とヒントを参考に、自分らしい世界観を表現してみてください。
当社では、高品質な映像制作を強みとしています。
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