カメラを手にすると、風景と人物を同時に収めたくなる場面は少なくありません。
そんなときに活躍するのが超広角レンズですが、使い方を誤ると被写体が不自然に写ってしまうこともあります。
背景を取り込める利点を生かしながら、人物を自然に見せるにはちょっとした工夫が必要です。
本記事では、注意すべきポイントと撮影を魅力的に仕上げるコツをご紹介します。
目次
超広角レンズで人物撮影をするときの注意点
歪みを抑える立ち位置と角度
超広角レンズは被写体に近づくと、顔や体が強調されすぎて歪んで写りやすい傾向があります。
そのため、できるだけ真正面から撮影し、顔や体の一部だけが極端に近づかないよう意識すると自然な印象になります。
また、レンズを傾けると縦横のラインが大きく曲がるため、水平を保つことが大切です。
被写体と背景の距離感を意識する
背景を大きく取り込めるのは魅力ですが、被写体との距離を意識しないと人物が小さく目立たなくなることがあります。
人物を際立たせたい場合は、被写体を適度に大きく写しながら背景の広がりを取り入れる構図が有効です。
距離の取り方次第で、主役と背景のバランスが変わるのです。
周囲の余白を活かしたフレーミング
広い範囲を収められるため、周囲の余白の使い方も重要になります。
不要なものが写り込みやすいので、フレーム内に入れる要素を整理しましょう。
空間を活かすことで、被写体の存在感が引き立ちます。
超広角レンズで人物を魅力的に撮るコツ
被写体を中心に置くことで安定感を出す
広角特有の歪みを抑えるには、被写体をフレームの中心に配置するのが効果的です。
中心に置くことで左右のバランスが安定し、被写体の自然さを保ちながら周囲の空間を取り込めます。
視線の誘導を意識した構図づくり
広がりのある画面は、視線が散漫になりがちです。
道や建物のライン、背景の配置を利用して、自然と被写体に目が行くように構図を工夫しましょう。
視線を導く要素を取り入れるだけで、写真全体の印象がぐっと引き締まります。
背景を取り入れてストーリー性を持たせる
超広角レンズは背景の情報を豊かに描き込めるため、人物の存在を場面の一部として表現できます。
風景や街並みを取り込みながら撮影すれば、その人がどこにいて何をしているのかが伝わりやすくなり、写真に物語性が生まれます。
まとめ
超広角レンズで人物を撮影する際には、歪みを防ぐ立ち位置や角度の工夫、被写体と背景の距離感の調整が欠かせません。
余白の整理や中心配置によって、人物の自然さと安定感を両立できます。
さらに、視線を誘導する要素や背景を活かすことで、写真に奥行きやストーリー性を加えることができます。
ちょっとした配慮を重ねることで、超広角レンズならではの魅力を人物撮影に生かせるでしょう。




